カクテル~Parfait Amour~
彼女は、何もいらないと言った。
ぼくと一緒にいたいと。

だけどぼくは自信がなかったのだ。
ぼくが彼女の伴侶としてふさわしいのか、彼女を幸せにできているのか、彼女の言葉と表情のニュアンスから感じとるしかなかった。誰からもはっきりとわかるものが欲しかった。

がむしゃらに働いた。

ぼくたちの住まいは、ワンルームとユニットバスのアパートから、小綺麗なマンションに換わった。

「さみしかった、よね…?」

「うん、とても。
なんのために一緒に住んでいるのって、悲しかった。
だけど、あんなに働いていたのは、あなたなりに私を想ってくれていたからでしょう。」
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