カクテル~Parfait Amour~
さみしい思いをさせたのはぼくなのに、こんな風に言ってくれる彼女と一緒にいられることが、より一層幸せに思う。

「ありがとう、わかっていてくれて。
ぼくは鈍感で不器用な男だから、君の気持ちに気付けなかった。
なんでも言ってほしい。
君が笑って毎日をすごせなければ、ぼくの幸せは成り立たないのだから。」
相手の幸せを願いながらも裏目にでてしまうという哀しさだけは避けたい。

「じゃあ、これからでかけましょう。
あなたがごちそうして。
そうするのも、相手の男性を立てることになるって、お母さまに教わったもの。」

彼女の笑顔にはかなわない。

「何を食べたいの?」
「クレープ。
桃とチョコレートと、生クリームのがいいな。」
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