屋上から、この想いを。
沢村…、アンタ何言っちゃってんのよ!?
私なんて王子にふさわしい女じゃなくない?
でも…そうは思っても、胸がドキドキ高鳴ってる自分がいる。
夢みたいだ…
密かに想っていた沢村からそんなセリフがもらえるなんて。
いや、もしかして夢???
一瞬現実を疑って頬をつねってみるけど、ものすごく痛かった。
…どうやら本当のことらしい。
「…橋本、何やってんの?」
「いや、ゴメン。信じられなくて」
「マジなんだけど。さっき…数学の前に言ってくれただろ、お礼。アレ聞いたら…俺もきちんと橋本に気持ち伝えなきゃって思った」
えええっ!?
あの超小声のお礼、やっぱり聞こえてたんじゃん!!
なんか…聞こえてたら聞こえてたで、恥ずかし……。。。
「橋本、俺と付き合ってくれないか?」
「え…」
うっそーーーーっ!?
…てか、下校準備中の女子達の視線がめちゃ怖い。。。
でも、ひるんでもいられない。
素直にならなきゃ。
私の小さな一言で、奇跡が起きたんだから。
密かに好きだった沢村から告られるという奇跡が。