屋上から、この想いを。
@屋上
―――――
――
ああ…また同じコトやっちゃったよ。
隣の席にいるせいか、顔を合わせば口ゲンカばっかり。
……どうして私、いっつもこーなんだろう?
こんなことじゃ、沢村にクラスメイトの一人としてしか見てもらえないの、分かってるハズなのに。
でも、アイツだって充分悪いじゃん!
わざと私を怒らせてるとしか思えないよ。
どうせ好かれないのなら…
沢村に対する気持ちなんて、捨ててしまいたい。
…簡単に捨てられるなら、こんなに悩まないけどさ。
気の向くままに、私はひたすら階段を上り続けていた。
そして…、上り続けた先に見えたものは。
「…屋上?」
こんな所に、屋上に続く扉があったなんて。
2年以上もこの学校にいるのに、全然知らなかった。
少し重そうな扉のドアノブを回して、そっと力を加えると、外への入口が開いた。
よく晴れた空から注がれる光が、妙にまぶしい。
私は扉を開けながら、まぶしさに目を細めた。
「まさか、こんな簡単に屋上にたどり着けるとは…」
驚いて、ついつい独り言を言いながら私は広いコンクリートが続く屋上をゆっくりと歩いた。
そのまま高いフェンスが立ちそびえる所まで歩く。
フェンス越しに素敵な風景が見えた。
「街が小さい…。寒くなってきて空気が澄んでるからキレイに見えるのかな?」
「……絶景が広がってるだろ?」
「え!?」