屋上から、この想いを。
「ヒロト、1年の初めに一瞬だけだけど、サッカー部にいたことあったからな。その時からダチやってる。んで、ヒロトから何となくお前のコト聞いた事あって、教室いる時は何気に見てたんだけど」
「え?沢村から私のコトを…?」
アイツ、私の一体何を話したっていうんだろう?
どーせ悪口ばっかり言ってたんだろうけどっ!
「『可愛くない女がいる』って聞いてさ」
……やっぱりなっ!!
私に関するコトなんて、そんなことだろーと思ってたわよ。
すると、屋上全体をなでるような横風が急に吹いてきた。
…やっぱりこの季節だし、風は冷たい。
私が思わず身震いしたら、新井は小さく笑った。
「…もーすぐ授業始まるんじゃないのか?こんな寒いトコでサボる気?」
「てか、アンタこそいっつもココでサボってるわけ?」
「ココ、誰も知らないしカギもかかってないからサボリ場所としては完璧だったんだけど。橋本に見つかったから考えないとなー」
「別に先生にはチクんないわよ。私がそんなちっさな女だと思った?」
「へぇ〜。ヒロトからはいちいち細かいコト注意してくるって聞いたんだけど」
「はぁっ!?」
あ…っ、アイツ……!!
私のコト、一体何だと思ってるわけ!?