Nocturne
第1章 『ただ、好き』
ラブコール
朝6時。
毎日決まって電話が掛かってくる。
設定音も彼だけの特別。
ショパンの『夜想曲第2番 変ホ長調』
これが私の目覚ましだ。
「……ん~…」
眠たい目をこすりながら、私は携帯を開き、通話ボタンを押した。
すると、
≪樹里【じゅり】、はよ≫
起きてるか?と再び聞く。
愛しい、彼の声。
この声で、夢から引き戻される。