Nocturne
第4章 『叶えたい、夢がある』
時の流れは速すぎて
「成瀬さん、この資料探してきてくれない?」
「あっ、はい!」
時の流れというものは早いもので、ついこの間皇と別れたように感じたのに。
―――もう別れてから5年の月日が経つ。
私、成瀬 樹里は、某有名大企業で社長秘書をしている。
まぁ、直属ではないのだけれど。
というのも、高校卒業後、世界最高峰と言われるアメリカの難関大学であるH大に入学し、MBAを取得して帰ってきた。
勿論、そんな安易に言ったけれども、並大抵の努力をした。
自分でも信じられないくらい、勉強した。
高校卒業してから現役で入って、卒業して、入社して、10年の月日が経っていた。
いまではもう慣れたもので、ちゃんと人並みに仕事をこなせるようになった。