Nocturne
大人になった君に、再会
私はスタバにいた。
『あの、今の高柳グループの社長って…』
『あぁ、若社長?高柳 皇よ。
貴女の学歴はもう頭が下がるけれど、あの人もすごいわよ。
あの最難関私立大学のK大だからね』
入社してちょっと経ってから藤代さんに聞いた、皇のこと。
…よかった。
皇が、社長になってる。
…それがすごく嬉しかった。
私が足手まといになってないか、すごく心配だったから。
…皇も社長になってる。
ということはもう、心配することなんてない。
私はそう思って仕事に打ち込んで来た。
彼に少しでも近づくため、彼のお父様に認めてもらうため、必死で。
必死で仕事してきた。