Nocturne
「…は?」
「私は皇に『皇の隣は、もう疲れた』って言って別れたの。
皇の心から忘れ去られるように、中途半端な嘘じゃなくて、最悪な嘘を吐こうって」
今でも思い出すんだ。
あの時の、
『別れてほしいの』と私が言った時の皇の、
『…冗談だろ…?』
『…何で…』
『…本気で、言ってるのか…?』
皇の震えてる声が。
あの声が、あの日からずっと耳から離れない。
それは神様が私に下した、天罰だと。
そう思っているけれど。
私はそれが怖くて、苦しくて仕方がないんだ。