Nocturne
「もう私のことは、忘れて。
忘れなきゃダメだよ、皇…ううん。高柳社長…」
「…樹里…」
「成瀬さん…」
なにか違うと思った。
竜也にしても、藤代さんたちにしても。
どうしてこうも、うまい具合にみんなが集まるのか。
気になってた。
だけど、
これはたまたま偶然に起こったことじゃなくて、
「藤代さん、お先に失礼させていただきます。
…竜也、こんなことを企むなら、今度からもっと上手くしなよ?」
彼らによって仕組まれてたのだと、知った。
皇。
あなたのことを私は今でも愛してる。
だけど、私はもう。
あの頃の私に戻りたくないから。
ただ、それだけなの。
お願い、こんな弱い私を許して。