Nocturne



だけど。
もう走る意味はない。

―――事は起こった後だから。


私はBMWに近付いた。

すると、窓が開いた。



「…こんにちは、皇のお父様」



そう言った。

すると、


「…やはりあの時から皇が教えていたか」

「はい」

「…久しいな、成瀬の娘―――いや、樹里さん」



上に立つ者の威厳、そして貫禄があり、現高柳グループの総帥である高柳 匡仙【たかやなぎ きょうせん】さん。

…皇の、父親。


そして、


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