Nocturne
皇が知らなくて、行方不明と言ってもおかしくはない。
「彼、誰かに聞かれてたの。
『最愛の彼女って、ウソなんだろ』って。
よくいるでしょ?女除けのためにそういう人。そしたらね」
信じられなかった。
涙が出そうになった。
どうして、どうして。
あなたは私を悪く言わないの?
私は、あなたを捨てて家族を守ったんだよ?
あなたを、利用したも同然なんだよ?
どうしてあなたは、そこまで私にしてくれるの…?
「そしたらね、
『ウソなわけないだろ?
…彼女の方はもしかしたらそうは思ってないかもしれねぇけどな。
…俺が、守ってやれなかったから』って」
そう思ってないわけない。
私だって、好きだったんだよ。
ずっと、ずっと。