Nocturne




『別れよう』って告げた瞬間も。

いつだって、どこだって、あなたの面影を探してた。


それくらい、好きだったんだよ。


けど、私は振った方だから。

事実を告げられた時、自分のせいで、親の昇進を妨げていると知った時、親に申し訳なくなって。

私は、最低な方法を取った。
方法だけじゃない、言葉も一番最低なことを言ってしまった。

だから、『好き』だなんて口にしちゃ、いけないと思ってた。

ずっと、心の中だけで、一生、死ぬその瞬間まで、心の中だけにしまっておこうって。


私が不幸にしてしまった分、私じゃない、他の女の子が彼を、皇を、幸せにしてほしいって。
彼が、幸せになってくれさえすれば、それでいいって。

なのに、どうしてあなたは自分を責めるの?


私が悪いのに。

これじゃあ、私…。


―――――諦められなくなっちゃうじゃない。




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