Nocturne
時差14時間のアメリカ・ニューヨークからの彼からの電話。
今、日本は6時だから…夜の4時。
毎日、欠かさずに掛かってくる愛しい彼。
「お、……はよ…皇【こう】……」
≪相変わらず眠そうだな≫
「うるさぁい……昨日寝たの2時半なのよぉ…」
≪課題終わらなかったのか?≫
「そぉ…」
ベッドから重たい体を起こして、通話しながら着替える私。
もう片手で着替えるのも慣れたものだ。
≪来月やっと会えるな≫
「あ…そっか。皇はもう夏休みに入るんだっけ?」
≪まぁな≫
「いいね」
≪だろ?……はやく樹里に会いたい≫