Nocturne




「…バカか」




だから…




「バカ…でいい」




いいかなって、思ってしまった。




「…やけに素直じゃん」




この優しさに、



「…うるさい」




身を任せてみること。


だから私は、抱きしめられたまま、彼に手を回した。

誰かの体温が欲しかったのかもしれない。

…まだ、癒えてはいない。
昨日の今日だもの。

だけど。



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