Nocturne

「馬鹿だ…馬鹿だよ…っ」

「…樹里様」

「…私は結局、誰のことも考えられてない。
皇だって、…あんな皇にさせてしまって。
お父さんたちだって…」




私が、全ては私が。
いけなかったんだよ。

皇を愛してしまった事。
そこから。

全てはいけなかったんだ。




「…でも不思議と、後悔はして無いんです」

「え？」

「皇と出会った事。
皇を愛したこと。
その全てを、私は後悔していないんです」




だって、皇と出会った事によって、得られたものはたくさんあるから。

たくさん、たくさん。
それは数えられないくらい。

だから、



「だから後は全て、私が背負おうと思ったんです」




幸せだったから。
幸せをもらったから、だから。

最後くらいは、私が。