愛してるとか。



「…なに」


ストン、とわたしは力無く椅子に腰掛けた。


「俺、お前のこと親友だなんて思ったことねえよ」


「……だからなに」


わたしの腕を掴む拓郎の手を払うと拓郎はすぐに手を離した。

半袖の腕から赤く色づいている。


赤くうっすら色づいている腕をさすっていると、拓郎の腕がわたしの方に伸びてきた。


「……触らないで」


そうわたしが小さく言うとその腕はピクリと止まる。


もう、駄目。


そう思った途端、わたしの瞳からは涙が零れ落ちる。


頬を伝うそれは、拓郎の指によって拭われた。


「……さゆり、泣かないで」


掠れた声でわたしを呼ぶ。



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