愛してるとか。
いつものように溜まった宿題を放課後の教室で片付けていると、拓郎が入ってきた。
「さゆり何してんの?帰るぞー」
わたしの腕を掴んで席から立たせようと拓郎は力を込めるのがわかったから、
「いった…!」
そうわざとらしく言ってみる。本当は全く痛くなんてないのだけれど。
拓郎があまりにも優しくガラス細工ん扱うみたいにわたしに触れるから。
「さゆりごめん!痛かった?」
そう必死な顔をしてわたしの顔を覗き込む拓郎を笑う。
「って、嘘かよー!」
わたしの反応に気づいたのか、拓郎は口を尖らせて膨れていた。
「あー、ちょっと休憩」
わたしはそう呟くと、そっと瞳を閉じて頬杖をつく。