夜風に吹かれて
「コンコン」


そのときノック音が聞こえた。


「はい、どうぞ。」

と答えると、はいって来たのは莉乃と湊。


「ごめん!!」

莉乃は突然謝った。

「裏切ったりしてごめん。」

「もういいよ。そのことは。」

実はまだ気にしてたけど。

口先だけで許す。


「ウチ、現実逃避してるのかもしれない。今までもそうだったから...。あの事故のときも、お父さんとお母さんと裕翔は生きてるんだって空想して、みんなの死を心は受け入れてなかった。私にとっての『フツウ』を壊されたくなかった...。だから今回も、髪の色も文化もぜんぜん違うところにワープ、なんて『フツウ』じゃないところから逃げたかった。傷つけてごめん...。」


「そっか...。来てくれてありがとう。また友達でいてくれる?莉乃...」

「ありがとう...風季。」


「で!!なんで湊がついてきたのよ!!」

「物色??」

「ハァァァ!?でてけー!!」


莉乃、怖っ!!

でもまぁ仲直りできたからよかったのかな?
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