トライアングル
「あ、えっと…」
あぁ、聞こえてたか。
一度呼びかけてしまった以上、質問した方がいいと思い、とりあえず口を開く。
「あなたは…授業に出ないんですか?」
問いかけると、男の子は興味が無くなったようにこちらに向けていた視線を戻し、
「関係なくね? あんたも出ねぇじゃんか」
ぶっきらぼうに言った。
まぁ、しばらく立てないんだから私も授業に出られないし。
この人が授業をサボっても、私には関係ない。
「……」
言い返す言葉もない私は、黙ったまま俯いた。
「でも…初日からサボることになるなんて思わなかったな…」