トライアングル
思ったことを、溜め息混じりにポツリと言うと、横たわり向こうを見ていた顔が、少しこちらに向いた。
「初日?」
あ…。私の独り言、聞こえてたんだ。
彼が、何に対して質問しているのか理解すると、私は答えるために口を開いて、
「えっと、わ、私今日、西川高校から、この学校に転校して来たんです。そ、それで、学校の中を見てまわっていたら、屋上の扉が…開いてて…それで…」
緊張して上手く話せないまま、聞かれていないことまで喋ってしまった。