トライアングル


「…ふーん」


すると彼は私の顔を一瞥してから、再び興味が無くなったように向こうに顔を向かせた。


それから、お互いに言葉を発することはなかった。



けど、こんなに他人と話すのは久しぶりかもしれない。


こんな暗い性格のせいで、今までこれといった仲良しの友達ができたことがない。

中学校の頃も挨拶をしたりはしていたけど、深く人と接することはなかったと思う。


前に通っていた、西川高校でも………。

あ、今なんかすごく嫌なことを思い出しちゃったかも。


「はぁ…」


小さく、ひっそりと溜め息をついて目を閉じる。


< 22 / 27 >

この作品をシェア

pagetop