トライアングル

でも、そんなことをしていても仕方ない。



「…落ち着かなきゃ…。」


そうポツリと呟いてから、手のひらに「人」という字を書いて飲み込んでみる。


……なんか、余計に緊張してきたかも……。



そう思って、大きく深呼吸をしていると、教室の扉がガラッと開いて、若い男の先生が顔を出した。


「栗原。クラスのみんなに紹介するから、入ってこい」


わわっ! もう、自己紹介しなきゃいけないの!?

まだ心の準備が…っ!
緊張しすぎて、涙が出てくる。


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