愛を知ったとき。





東京に着いたのはもう夜で辺りは闇に包まれた。



「もしもし?お兄ちゃん?」

お兄ちゃんから貰った手紙を片手にお兄ちゃんに電話をかけた。

『おう!凛子!』

陽気なお兄ちゃんの声は変わらないようだ。



「あのね、下北沢に着いたんだけど…お兄ちゃんのくれた手紙読んでもイマイチわからんのよ」

お兄ちゃんから貰ったお手製の地図と説明は
下手くそすぎてわからなかった。

『えー俺今会社の奴らと呑んでるから無理だわ』

「え?あたしが来るって言うのに?」

『まあまあ、妹よ!わからなければ交番に行きなさい。じゃあまた後でー』

「え、ちょっ!」

一方的に切られてしまった。

「お兄ちゃんのバカ!」





初めて東京に来たけどやっぱ凄いな。

夜なのにこんなに明るい。

けど、ひとりってところが怖い。



早くお兄ちゃんの家を見つけなければ…






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