涙空


「ごめんね〜さぁ行くわよ〜」


お母さんが入ってきて、車が動き出した。


「南高校の制服って可愛いのね〜」


お母さんが言った。


「うん、可愛いいでしょ〜」


あたしは笑顔で言った。


ふと、外を見るとあたしと一緒の制服の人が歩いていた。


あの人も南高校に行くんだな…


樹と歩くはずだった通学路…


これからは一人で歩くんだよね…


前に向き直して、あたしは下を向いた。
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