もう手には届かない





俺は頬に伝わった涙をふいて


前をむいて走り出した



大丈夫


琥珀がいる。

俺は前に進める。



そのとき再び


暖かい風が後ろから通り抜け


一瞬だったけど



くちびるに温もりを感じた




琥珀


ありがとう
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