お義兄様は官能小説家?!(仮)
「ちょっと、亜梨香?ゴミ集めるのにいつまで掛かってるのー?」
「……!」
階下から響く声に、ビクリと身体が跳ねる。
お母さんの存在、すっかり忘れてた…!
「…はは、しょうがないな。今日はこの位で、勘弁してあげる」
お義兄ちゃんはクツクツと笑って、あたしから離れた。
「ーほら、ゴミ持っていきなよ。早くしないと、義母さんに怒られちゃうよ?」
「…~っ」
お義兄ちゃんの言葉に、ぐっと言葉に詰まる。
早く行かなきゃお母さんに不審がられる、それがわかっているのに、あたしの体はまるで自分の物ではなくなってしまったかのように言うことを聞かない。
そんなあたしを横目で見ながら、お義兄ちゃんは涼しげな表情でパソコンを開いた。