お義兄様は官能小説家?!(仮)
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「ハッピーバースデー、亜梨香!」
テーブルの上には、お母さん特製のご馳走とケーキが所狭しと並んでいた。
「お母さん、これどうしたの?!」
「亜梨香のために作ったのよ。美味しそうでしょ?」
お母さんはそう言って、にっこりと笑う。
「うん、確かにそうだけど。あたしこんなに食べきれないよ?!」
4人で食べるにしたって、多すぎる。
気持ちは嬉しいけど、こんなに食べたら太っちゃう。
「いいのよ。神威さんと優弥さんも食べるんだから」
「にしたって、これは作りすぎだよ~!」
サラダからお肉、お魚、そしてデザートまで。
オールマイティにずらりと並んだ豪華な品々を前にして、あたしは思わずそう口走る。
「まあまあ、亜梨香ちゃん。いいじゃないか、百合香さんが折角作ってくれたんだから」
「そうだよ、亜梨香。それに義母さんの料理、美味いし」
「お義父さん!それに、お義兄ちゃん…!」
と、そこに丁度いいタイミングで、お義父さんとお義兄ちゃんが部屋に入ってきた。
「あら、お帰りなさい、神威さん」
「ただいま、百合香。今日も綺麗だね」
「いやだわ、神威さんったら」