俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


ママ特製の卵焼きを流し込むように口に放り込む。

その激しさにママは片付けようとした大皿を危うく落としそうになる。


ふとフォークに突き刺したブロッコリーを眺めながら。

妄想の中で、蒼に優しく微笑みかける啓太が、段々と蒼に近づく。


(けけけけけけーくん…そそそそそ、そんなに近づくなんて)


蒼のあごにそっと手をかけ、キスしようとした瞬間、

啓太が何故かフレンになって、蒼は慌てて妄想をかき消した。


「ちょっと! なんでフレンなのよ!!」


「あお…朝から変よ…どうしたの?」

さすがにママが声をかけた。

「あっ! いや、あはは」

蒼はひきつりながら無理やり笑顔を浮かべた。

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