俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
蒼が十字架に触れた瞬間、氷が一気に蒸発した。

ふいに自由になりよろけるフレンの腕を蒼が抱きしめた。


「フレン…大丈夫?」

「蒼……」


見つめ合う二人の足元から、すでに目を回復させた男たちが迫る。


「俺が一緒だと逃げられない…蒼だけでも」

「そんなの駄目! だって私――」


詰め寄る男たち。

蒼は諦めるように、ぎゅっと目を閉じた。




「あおーーーっ!!!!」



「!!!!!」



男たちは校舎から突然放たれた声に、二人から視線を逸らした。


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