俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「これって…こんなことってあるにゃ!!??」
千鶴は悲鳴混じりに震えながら叫んだ。
美津子は屋上の入り口で腰を抜かして動けなくなっていた。
「有り得ないよ…だって…あおが空…飛んでて…砂の怪物と…宙に浮かぶ木と…」
「夢なんかじゃにゃい! だって…私たち、見たにゃ!」
普段の滑らかなコンクリートの屋上とはかけ離れた、まるで岩場の険しい山。
千鶴はひょいひょいと石づたいに飛び越えながら、美津子のそばに戻った。
「とにかく私たちが知っているあおじゃないってこと…にゃ」