俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
第七章 愛しの人
「……大丈夫? ちづ」
傘で顔を隠しているが、息遣いで千鶴が泣いているのはバレバレだった。
「だいじょ…ぶ……にゃ…でも…どう…して…」
「きっと何か理由があるのよ。いつか話してくれるわ」
千鶴の小さくなった背中を、美津子は優しく撫でた。
「……いつか……なんて待てない」
「え?」
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