俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
ちょうどいいところに、美津子ママが居間から顔を出した。


「おばさん、お邪魔しニャース」

ペコリとお辞儀してから、美津子ママが妙に小奇麗な格好をしてメイクもバッチリなことに気がついた。

「ふにゃ? おばさん、お出かけ?」

「うふ。そうなのよお。急にね、北海道のおばさんのとこに行くことになっちゃってね」

「えっ!?」

二人のやり取りを聞いて、美津子が慌てて二人の話に割って入る。

「ほ、北海道って…どうして…今から!?」

「そうよ。一週間くらいはあっちにいると思うから」

美津子ママは困ったような仕草の中に、どこか嬉しさを滲ませ体をくねらせた。





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