俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「イトコなんだからいいでしょ?」

美津子ママは平然と答える。


「あ……あの…」


恥ずかしさに一人であたふたする美津子。


「年頃の男女がひとつ屋根のしたなんて、危険すぎるにゃ!」


そんな美津子に代わって千鶴が美津子ママに詰め寄る。


「小さい頃は一緒にお風呂にだって入ったんだもん、ねえ?」

「……!!」

ママの言葉に、さらに耳まで赤くなって頭上からは湯気が出る美津子。


「私もう飛行機の時間があるから…じゃあ頼んだわね!」


腕時計に目を落としながら、美津子ママは大きなキャリーバッグを抱え家を飛び出した。





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