俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「ねえ、みっつん。こいつと二人っきりなんて大丈夫にゃ?」

千鶴に耳打ちされた美津子は、我に返って、取れてしまうほどに首を横に振る。

「わ、わたし…イトコなんていない!!!」

「にゃにぃーーっ!! じゃあ、こいつ誰にゃ!?」

千鶴と美津子は一斉にリョウの顔を覗き込む。

リョウは涼しく微笑んで、美津子の前に手を差し伸べた。


「これから一週間よろしく」


爽やかな振る舞いに、美津子ははっと、愛しの人と影を重ねた。


(ル、ルシフィールさまっ!?)




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