俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
透き通る肌に、栗色のサラサラヘアー。

くっきりとした飴色の瞳。すっと伸びた鼻筋。丹精な顔立ちにとろけるような笑顔。


(ルシフィール様だわ!!)


美津子は確信すると、恥ずかしながらリョウの手を握った。


「ちょっと! 何で手なんて握ってるにゃ!」

「うん…まあ、いいかなって」

「いいわけないにゃ!!」


リョウの顔に見とれる美津子は、適当に千鶴に言葉を返す。


「リョウ…だったっけ? あなたさあ、何者にゃ?」


千鶴はイライラの矛先をリョウに向けた。


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