俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「みっつんの部屋で二人きりで何してたにゃ?」
バスタオルで髪を吹きながら、千鶴は二人を睨みつけた。
「な、何って……ねえ」
「ちょっとハサミを借りようと思って…昔来たときとだいぶ置き場所も変わって分からなくなっているからね」
そう言って自然に食卓に座るリョウの背中を千鶴は見た。
(この家は昔から何も変わってにゃい…置き場所だって…何も変わってないはずにゃ)
疑問を曇らすように、台所から美津子特製のミートスパの香りがした。
「きゃあ! 待ってました、美津子のスパ! 私大盛り!」
「はいはい。じゃあ、席についてね」