俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
(………?)
いつもの緩やかな美津子の口調の中に、力強さがあった。
布団が少しピクリと動いた。
「実はね…私…漫画を描いていたの…今まで黙っててごめんなさい……」
美津子の腕には、漫画の原稿用紙が大事そうに抱えられていた。
(漫画……?)
「そうそう。みっつんの漫画。私も読んだけど売ってる漫画みたいにゃ!」
蒼の反応に千鶴も声をかける。
「もっと早くに…教えておけばよかったね…何だか恥ずかしいというか自信がなくて…でも…自分が夢中になっていることを友達に話すことは何も悪いことじゃないって分かった」