俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
(自分が夢中になっている…こと?)
心なしか、部屋の温度が上がったような気がした。
蒼はゆっくり布団から顔を出した。
やつれた蒼の顔に内心動揺しながら、美津子は笑顔で漫画を手渡した。
部屋の中は沈黙が支配した。
もう凍てつくような吹雪は消えていた。
美津子の漫画。
主人公が戦いの中、苦しみ傷つきながらも精一杯愛する人のために戦う姿が描かれている。
その姿が妙に自分と重なった蒼は、ただ夢中に読み進めた。