俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「つまり、その」

「指の……皮を…………ナイフでこう…」


フレンはりんごの皮を剥くような仕草をしてみせた。


「ぎゃああーーーっ! そっ、それは駄目!」


慌てて千鶴が立ち上がる。


「だから俺も…せめて寝ている間とか色々考えたけど…出来なかっただろ」

「地球が崩壊することも悪いことは全部隠してたのに、よっく言う」


蒼が眉間にシワを寄せて、フレンの顔を覗き込んだ。


「本当のことを言ったら蒼が俺から離れていきそうで……それが一番辛かった」


これ幸いと、フレンも同じく顔を近づけて口を尖らせた。


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