俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
その口づけを、蒼は例のように左手で跳ね返す。

俺様天使との口づけは、まだ左手、指輪分距離を近づけない。


「あんたね、あおには彼氏がいるにゃよ?」


蒼にちょっかい出そうとするフレンを、髪を引っ張って阻止する千鶴。


「蒼は俺のものだ」

「違うってばにゃ」

「ふん。父上の創った指輪をはめてアレオンとフレンドリッヒ家の忠誠を誓ったんだ。まあ、結婚したようなもん、かな」

「結婚!!?」


ほんの数分前に聞いたような言葉がまた飛び出す。


「本当に結婚しちゃったの?」


美津子が蒼に詰め寄る。


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