俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「ち、違う! 違うんだよ!」

「すぐに挙式ってワケにはいかないけどな……俺はアレオンから追放されてしまったし」

「フレンはもう…帰れないの?」

「蒼を助けたりしたからな。ま、どっちにしろ俺、今の王のやり方が気に入らなかったからな。王位は弟が継げばいいことだし」

「でもこのままじゃ…アレオンも…地球も…」

「地球は大事だけど…アレオンなんて国どうでもいいにゃ!」

「そうよ。地球を利用しようとした国なんて!」


蒼は、うーんと唸ってから、よし、と何かを決意して顔を上げた。



「私、アレオン国に行ってみようと思う」



その言葉に、フレンもそうだが、美津子も千鶴も、目を見開いて声を失った。


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