俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

啓太の口は何かを叫んでいた。



「聞こえないよ! けーくん!!!」


蒼は必死に叫ぶが、遠くなる啓太の声はさらに消えていく。



「す」



「き」



「だ」



口の動きで分かった気がした。



「私…必ず…けーくんのところに戻ってくるから!」


聞こえないはずの声を張ったあと、光に飲み込まれた。






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