俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
歩いても歩いても、目的地の村は見当たらない。
それどころか変わらない砂漠の景色に、精神的にも参っていた。
「はあ、はあ……」
「ぜえっ…ぜえっ…」
四人の息遣いだけが、妙に耳に障る。
風に氷の粒が混じっていて露出した肌にちくちくと痛いし、寒いはずなのに汗がじとっと服を貼り付ける。
昼なのか夜なのか。
時間という感覚も薄れて、もう永遠に歩き続けている錯覚さえ起こった。