俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
また歩くだけの単純な作業が始まった。
「フレンは次期アレオン国の王になる予定なんでしょ?」
もう沈黙の中足を進めるだけなのも耐え切れなくて、蒼が訪ねた。
「さあ。今は厳しいけどな。でも産まれながらにそう育てられたがな」
「うわ! 期待されてたんだあ。私だったらグレちゃうにゃ~ん」
ギャルの千鶴は、甲高い声をあげて身体をくねらせた。
それを見てまたフレンは頬を引きつらせて、大きく溜め息をついた。
この二人の相性が最悪なことは、誰が見ても明らかだった。
「………あっ」
蒼が何か思いついて、足早にフレンのもとへ駆け寄った。