俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


千鶴はアンの肩をぎゅっと抱きしめた。


「お姉ちゃんはどこの村からきたの?」

「む、村? えっと、地球、かにゃ」

「チキュウ…ふーん…チキュウの人たちは羨ましいな」

「どうしてにゃ?」

「お姉ちゃんの歌をずっとずうっと聞いていられるんじゃない」


千鶴は照れて否定しようとしたが、アンのあまりに純粋な笑顔に千鶴もただ微笑んだ。


(歌が私を励ますように、周りのみんなも励ますことができるんだ…)




いつも自分のためだけに歌っていた歌。

実は、もっと無限の可能性を秘めているのかもしれない。




< 274 / 353 >

この作品をシェア

pagetop