俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
千鶴はアンの肩をぎゅっと抱きしめた。
「お姉ちゃんはどこの村からきたの?」
「む、村? えっと、地球、かにゃ」
「チキュウ…ふーん…チキュウの人たちは羨ましいな」
「どうしてにゃ?」
「お姉ちゃんの歌をずっとずうっと聞いていられるんじゃない」
千鶴は照れて否定しようとしたが、アンのあまりに純粋な笑顔に千鶴もただ微笑んだ。
(歌が私を励ますように、周りのみんなも励ますことができるんだ…)
いつも自分のためだけに歌っていた歌。
実は、もっと無限の可能性を秘めているのかもしれない。