俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
第十二章 門番
「ちょっとお前ら、待て!」
野太い門番の声が響き、黒頭巾を被った四人の集団の足が止まった。
頭巾で顔は完全に塞がっている。
「いつも来る画家とは違うようだが?」
門番が頭巾の中を覗き込もうとして、慌てて距離を取る。
「いつもの…画家は……風邪を引いてしまいまして…にゃ…」
「にゃ?」
門番の顔が歪む。
「あ、いや。別に…あはは」
「それにしても今日は四人と多いじゃないか」
「今日はスタイリストも連れてまいりました。あと助手も」