俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
イチかバチかの作戦だが、こうも怪しまれると嘘もぎこちなくなる。

頭巾の隙間から覗くと、案の定、門番の不穏な顔つきで睨みつけている。


「どうも信用できない」


その言葉に四人の緊張は高まり、明らかに動揺して体を強ばらせた。


緻密に組まれた頑丈な城壁。

その巨大さを目の前にするとただ圧巻される。

やはり城内に入るには、門番の守る、この入口しかないようだ。


しかし、三人の少女たちより何倍も大きな体をした門番は、鍛え抜かれた筋肉を見せつけるような鎧を纏い、力づくではどうにもならないことは明白だ。


(こうなったら力を使ってでも無理やり…)


< 279 / 353 >

この作品をシェア

pagetop