俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
美津子と門番の視線が完全に重なった。

「あ…あの…」

「おーい、誰か紙とペンを持ってこい!」

別に気にする様子もなく、門番は声高らかに部下に支持した。

後ろに控えていた部下が慌てて持ってきて美津子に手渡す。

門番は、美津子の正面に立って何やらポーズをとり始めた。


「強そうに描いてくれ! かっこよくな!」


むん、と腕を曲げて力こぶを作り足を絡めて門番は動きを止めた。


(私、描けないよ)

小声で蒼に助けを求めるが、蒼は目を輝かせて首を横に振った。

(みっつんは絵がとっても上手だから大丈夫。自分を信じて)
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