俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「そっくりだ! さすが画家先生! いやはや疑ってしまって申し訳ない。さ、どうぞお城にお入りくださいませ」

蒼は予感通りと笑みを浮かべる。

「先生だなんて…」

握手に引っ張られてフラフラする美津子の顔にも安堵の表情が浮かんだ。




城壁の分厚い扉が、音を立ててゆっくりと開いていく。


光が差込み少しずつ見えるのは、厳かに広がる赤絨毯の道。



「いつも通り。この道を真っ直ぐ行けば王の間です」


先ほどとは違い、丁重に城の中へと案内された。

中に入ると同時に、また扉が閉まり四人だけぽつんと残された。


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